マジすかHKT~第四十一話

咲良は残りの力を振り絞って立ち上がり、ファイティングポーズをとった。

「やっとやる気になったみたいだね。」

島崎も構えて、一瞬、時が止まったように静寂が訪れる。
そして互いの拳が繰り出された。

「ソルティー・ブリザード!」

「ワンサイ・ラバー・フライド!」

氷と熱、互いのパワーが中間点でぶつかり合う。

”ズガァァーン”

均衡していたかに見えたパワーは、これ以上押し込めなくなると、壊れて四方に飛散した。

「技の威力は・・。」

「互角・・。」

島崎と咲良は互いを見合った。
そして島崎は「フッ。」と笑って言った。

「咲良、強くなったね。」

「ぱるるさん・・。」

「なら、この島崎遥香、最大の拳を使わせてもらう。覚悟はいいね?」

そう言った島崎は、広げた両腕の手にパワーを集中する。

「フォーエバー・プレッシャー!」

島崎の両手から放たれたエネルギーが、前で合わさって塊となり、咲良に向かって行く。
島崎の技が自分に近づいてきても、咲良は冷静だった。

「ぱるるさん、私のマジ、ぶつけさせてもらいます。」

そう言った咲良も技を繰り出す。

「ワンサイ・ラバー・フライド・・・ヒートアップ!」

挿入歌:片思いの唐揚げ

咲良の間近に迫っていたフォーエバー・プレッシャーが押し返され、
いつもの何倍もの熱量になったワンサイ・ラバー・フライドが島崎に命中する。

”ドガァァーン”

島崎の身体が宙を舞って、床に叩きつけられた。

「ぱるるさん!」

横たわっている島崎に、咲良が駆け寄って抱き起こす。

「咲良・・効いたよ。」

その島崎の顔は、先程とは違い、昔の優しい顔に戻っていた。

「ぱるるさん、私の本気(マジ)を引き出させるために、こんなことさせてしまって・・すいません。」

島崎に謝った咲良は、涙が止まらなかった。

「そっか・・バレてたんだね。
それより、咲良が勝ったんだから笑いなよ。
泣くと可愛い顔が台無しだよ。」

そう言って微笑んだ島崎は、咲良の涙を指でぬぐいながら言った。

「この前・・夢を見たんだ。
私がてっぺん(番長)のマジすか学園に、咲良が鹿児島から転校してきて、
この学園の生徒を次々に倒して、てっぺんを目指していくんだ。
それから、いつか、こんな日が来るんじゃないかと思っていたから、咲良とまた会えて嬉しかったよ。」

そう言うと、島崎は昔のように咲良の頭をなでた。

「いい仲間がいるみたいだね。
咲良が急所を外してくれたおかげで、私は大丈夫だから、早く行ってあげて。」

島崎の言葉に、咲良は泣きながら、ぎこちない笑顔でうなずいた。
そして立ち上がった咲良に島崎は言った。

「私はいつでも、咲良を応援してるから。」

咲良は「ありがとう、ぱるるさん。」と言うと、涙をぬぐいながら、渡り廊下を出た。

※こちらの小説は”マジすか学園”、”マジやけん学園”を参考にしていますが、続編ではなく、完全新作で書かせて頂いています。
前作との関係上、矛盾点もありますが、ご了承下さい。 また、実在の人物とは関係ありません。
※フォーエバー・プレッシャー=フォーエバー:永遠、プレッシャー:プレッシャー=永遠プレッシャー
※挿入歌で使用した”片思いの唐揚げ ”は、スキ! スキ! スキップ! (Type-A)[CD]のカップリングとして収録されています。